2025年6月マーケットサマリー:米株・日本株・ビットコイン・ドル円
少し遅くなりましたが2025年6月のサマリーをアップします。株式市場が米国・日本ともに力強い上昇を見せ、暗号資産も高値圏を維持した好調な月でした。筆者のポートフォリオも単月で約+5%と嬉しい展開となりました。生成AIブームに支えられた大型ハイテク株の上昇や、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を背景にリスク資産全般に買いが入り、ビットコインも10万ドル台を維持するなど強さが目立ちました。一方でドル/円相場は中東情勢や米国景気指標に振り回されつつ大きな方向感なく横ばいに推移した印象です。それでは、US米国株、日本株、₿暗号通貨(ビットコイン)、💱円為替の順に6月の市場動向を振り返ってみましょう。
US米国株式市場
米国株式市場は6月も絶好調でした。S&P500種株価指数は月間で約+5.0%、ナスダック総合指数は約+6.6%と2か月連続で大幅上昇し、月末には揃って年初来の最高値を更新しました。NYダウ平均の上昇率+4.3%をハイテク主体の指数が上回った格好で、代表的なETFであるSPY(S&P500連動)やQQQ(ナスダック100連動)も軒並み上昇しています。5月から続くAI関連株主導のリスクオン相場が6月も継続したという展開でした。
こうした米株高の背景には、生成AIブームによるハイテク企業の好調な決算発表が相次ぎ半導体・ソフトウェアなど大型テック株が買われたことがあります。さらに世界的な防衛予算拡大を受けた防衛関連株の上昇も一役買いました。加えて、中東や通商を巡る地政学リスクが6月中旬以降に後退し、FRB高官らの発言で年内利下げへの期待感が高まったことも投資家心理を強気に転換させました。総じて、6月の米国株はAI旋風と金融緩和期待に沸いた強気相場だったという印象です。
JP日本株式市場
2025年6月の日経平均株価の推移。6月は約6.6%上昇し、終値で約1年3カ月ぶりに4万円台を回復しました。
日本株市場も米国株高の追い風を受けて絶好調でした。日経平均株価は6月単月で前月比+6.64%の大幅上昇となり、3か月連続の上昇記録です。月末の終値は約11か月ぶりに4万円台を回復し、昨年夏以来の高水準となりました。ハイテク大型株の比重が大きい日経平均は、生成AI関連の半導体需要拡大期待を背景とした米国ハイテク株高になびき、東京市場でも半導体株が上昇をけん引しました。米FRB高官による利下げ示唆で早期緩和観測が強まったことや、中東情勢・米関税政策への過度な懸念後退も追い風となり、国内投資家の買い意欲が旺盛でした。
日経平均の上昇率は同期間のTOPIXを大きく上回り、これは値嵩ハイテク株の影響力が大きいためです。実際6月は世界の主要株価指数の中でも日経平均が上昇率トップで、2位以下に米ナスダック総合、S&P500種指数と米国勢が続きました。こうした強力なリスクオンの地合いに支えられ、日本株は「独歩高」とも言える上昇を演じた印象です。
₿暗号通貨市場(ビットコイン)
6月のビットコイン(BTC)は10万ドル超の高値圏を維持しつつも、地政学イベントに翻弄される場面がありました。月央には中東情勢の緊迫化(イランによるホルムズ海峡封鎖リスク報道)を背景にリスクオフが広がり、ビットコイン価格は一時10万ドルを割り込む急落を演じました。しかしその後は買い戻されて急速に持ち直し、月末時点では約10万7400ドル(約1億1千万円)前後で推移しています。月間を通してみれば過去最高値圏をキープしており、5月に記録した史上最高値(約10万9000ドル)に迫る水準です。
ビットコインが高値圏を維持できた背景には、引き続き強い投資家需要があることが挙げられます。例えば米企業マイクロストラテジー社は6月末に約5000BTC(約5.3億ドル相当)を追加購入したと発表し、市場の注目を集めました。また米国の利下げ観測台頭で金融市場全体に流動性緩和期待が広がったことも、インフレヘッジ資産であるビットコインの支えとなったようです。総じて、6月のビットコイン市場は乱高下はあったものの強気基調が維持された**という印象です。
💱円為替市場(ドル/円)
6月のドル/円相場は一進一退のレンジ相場となりました。月初から月半ばにかけては、米中通商協議が進展したとの報道やイスラエルによるイラン攻撃など中東情勢の悪化を受けてリスク回避の円売り・ドル買いが進み、一時は大きく円安(ドル高)に振れる場面がありました。しかし中旬以降になると、米国で弱い経済指標が発表されてFRBの利下げ観測が強まった局面では円高ドル安に反転しました。月末時点では1ドル=144円前後と月初とほぼ同水準に戻り、月間ではほぼ横ばいで終わっています。つまり、6月のドル円は材料出尽くし感もあって明確なトレンドが出なかった印象です。
円相場の方向感が乏しかった要因として、日本銀行の金融政策スタンスが大きく変わらず金利差動向にサプライズがなかったことも挙げられるでしょう。また、月内の米消費者物価指数(CPI)などインフレ指標が落ち着いた推移となり、市場が米利下げ時期を意識し始めたことでドルの上値が重くなった側面もあります。総合すると、6月のドル円は外部要因に振らされつつも結局は行って来いで落ち着いたという展開でした。
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